ゴールデンウィーク休業のお知らせ

VR感覚、ファントムセンスってなんのこと?VRChatグループ「VR適性研究所」のメンバーが解説

VRレンタル・中古品買取販売ならアストネス

皆様はじめまして。VR適性研究所と申します。

我々はVRChatに数あるフォース(*1)の1つで、VR感覚に興味がある、VR感覚をもっている、VR感覚の研究をしているなどの人達が集まりVR感覚を楽しみながら知見の収集や認知の拡大を目的とするグループです。 

(*1)フォースとはVRChatで様々な趣味、志向を持った人たちが集まった団体の俗称

 

ところで先程からVR感覚と何度も言ってますが、「VR感覚」って知ってますか? 

「VR空間で触られたところが触られた気がした」「水辺に行ったら涼しく感じた」など、VRChatではそうした錯覚を「VR感覚(ファントムセンス)」と呼ばれています。

一般的に手に入るようなヘッドマウントディスプレイ(以下HMD)では、ディスプレイから流れる「映像」とヘッドセットからの「音」を見聞きできるだけで、「触覚」の体験装置は付いていません。当然VR上で触られていても、現実の体はプレイエリアに存在しているだけです。 

「VR空間で触れられると、現実でも誰かに触られた感じがする」なんてことがあるのでしょうか?  

そこで、こちらのツイートを見てください。

画像を見ているだけなのに、電柱が着地するときの振動音や電線が風を切る音が聞こえたりしませんか?

実はこの画像を見て、音が聞こえるという人が67.3%(315,483人中)もいます。

このように、視覚情報だけなのに音などの他の感覚を感じてしまうことは実際にありえるのです。

では実際にどのぐらいの人がVR感覚をもっているのかという話ですが、 VRChatユーザーの中にはVR感覚がある人が一定数いて、VR空間のアバターをまるで現実の体のように認識している人もいます。

我々が独自に行ったVR感覚に関するアンケートでは、311人のユーザーが「VR感覚がある」と回答しており、実際に我々もVRChatやSNS上での会話を見たり聞いたりしたところ、その存在がある程度認識されているように感じます。

ただし「ある」とひとことに言っても、「触られる感覚はあるけど匂いの感覚はない」というように、感じ取れる感覚には個人差があります。 そうなると「どんな感覚があるのか?」ってなりますよね。

この画像は上記のアンケートを基に制作し、2019年12月14日にVRChatにて開催された「バーチャル学会2019」のポスターセッションに参加した際に使用した画像です。

ここでは、アンケートで「感覚がある」と答えていただいた311名に「VR上で感じたことがある感覚はどれですか?」というアンケートを取りました。すると様々な感覚があり、持っている感覚と持っていない感覚がどれだけあるのかというのがわかります。いくつか紹介したいと思います。 

  • 触覚 

「触る」感覚のこと。硬さ、軟らかさを感じる圧覚とセットになっていることが多いです。例では「頭を撫でられている感じがする」「ほっぺたを触るとやわらかい」など。 

  • 温度感覚 

暖かい及び冷たいという温度に対する感覚で、触覚とともに感じることが多い感覚。近づかれたり、触っているところが暖かく感じるということが多いようです。設置されている炎や水で温度を感じ取る人もいます。 

  • 臭覚 

匂いの感覚で、食べ物などのオブジェクトから匂いのほか、近づいてきた人の匂いを感じ取ってしまうこともあります。また人によって感じ方が大きく変わることもある。たとえば緑色の炭酸のような液体なら「メロンソーダ」になったり「エナジードリンク」になったり。 

  •  味覚 

食べ物オブジェクトを口に運ぶと味を感じ取れる人がいます。なかには実際に食べているものとVR空間でアバターが口にしているものを別のものにした場合、感じ方が変わるということも。たとえばVRでクッキーを食べて、リアルでチョコを食べるとチョコチップクッキーを食べているように錯覚するなど。 

  • 非実在感覚 

弊所が俗称している感覚の一つで、実際にはない物があるように感じてしまうというもの。例を出すと「頭に生えた猫の耳」「お尻にあるしっぽ」「男性にはない大きな胸」など。所有感があり、さわられると触覚や温度感覚があったりもします。また人型ではないアバター、極端な例を言うと「爪楊枝のアバターなのに触られた感覚がある」という人もいます。 

このように様々あるVR感覚をユーザー同士で上手に利用すれば、コミュニケーションが豊かになる傾向があります。しかしその反面「相手がVR感覚を持っているのでうかつに触ったりできない」「VR感覚を感じすぎてしまう「VR感覚がほしいけど無い」という声もあり、メリットばかりではありません。 

また基本的に「視覚や聴覚で認識できている範囲」までしか感覚を得ることができません。触覚があるからと言って後ろから無音で肩をトントン、とされてもわからないのです。

ここまで読んでいただけたのであれば、VR感覚を体験してみたいという方もいらっしゃると思います。 

しかし自分にVR感覚があるかどうかはわからないですよね? 

実際のところ、HMDをかぶってみないとわからないというのが本音です。 

ただし先程の送電塔の縄跳び画像で音のほか振動まで感じてしまった人、レースゲームで体を傾けてしまう人、寒そうな映像を見ているとこちらまで寒く感じてしまう人などは持っている可能性があります。 

ぜひHMDをかぶってVRChatにいらしてみてください。不思議な感覚を楽しめるかもしれませんよ? 

ちなみに、VR適性研究所では毎月第2日曜日に感覚に興味がある人に向けた定期集会を行っております。VRChatに来た際は覗いていってみてください。(参加方法などは公式ツイッターにて) 

筆者紹介 

  • りーば:VR適性研究所の所長。当記事では編集を担当 
  • 二階堂皐月:VR適性研究所管理人。当記事ではデータ収集・集計を担当 
  • なりはら:VR適性研究所管理人。当記事では執筆を担当 

VR適性研究所とは

  • 「VR感覚を楽しんで遊ぼう」と、りーば・二階堂皐月が2019年3月に発足。 バーチャル学会2019に参加。 

 

 

記事トップへもどる

アストネスVRレンタル