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QuestはRift Sを超えることができるのか
- 筆者:chiroP
皆さん初めまして。Go / Quest / Rift SのOculus 3機種実機レビュー・比較記事を書かせて頂くことになりました「chiroP」と申します。
こちらの記事では、すでにVR機器を持っていたり、ある程度精通している中・上級者向けに2020年2月時点のOculusの3種の現行機種の実機レビューをご紹介します。私が所有しているOculus Quest、アストネスより提供されたOculus GoとOculus Rift Sを使って実機レビューを行います。Oculus 3機種のレンタルや購入を検討されている皆さんのお役に立てれば幸いです。
まだVRにそれほど詳しく無い方、初めてのVRにOculusを購入・レンタル検討しているがどれを選んだらいいのかわからないという方は、初心者向けに「【Oculus 比較】Quest・Rift S・Goの3台持ち筆者がOculusのVRゴーグルを徹底解説!」(筆者:サツキトウカさん)という記事をご用意しておりますのでこちらをまずはご覧ください。
1.「Oculus Linkの登場」本来~立ち位置ははっきりしていたはずだったが…
2.低価格でお手軽にVRが楽しめる入門機「Oculus GO」
3.Oculus QuestとOculus Rift Sとのスペックや構造の比較
4.Oculus QuestはOculus Rift Sの代わりになるのか?!
5.最後に他メーカーのVR機器と比べて
1.「Oculus Linkの登場」本来~立ち位置ははっきりしていたはずだったが…
これまでOculus Goは低価格でお手軽にVRを楽しみたい人向け、Oculus Questはハイスペックパソコンがなくても本格的なVRを楽しみたい人向け、Oculus Rift Sはパソコンに繋いで高品質なVR体験を楽しみたい人向けと分かりやすく住み分けができていました。
しかし、2019年9月26日、Facebook主催イベントの「Oculus Connect」(※1)でOculus QuestにUSB接続することでPCVRを可能にするOculus Link機能が公式発表され、現在Oculus Linkのベータ版がリリースされています。この機能によりOculus Questはスタンドアローンでも動作して、USB接続(※2)するだけでクロスバイに対応している「Pistol Whip」などのゲームは高品質なグラフィックでプレイすることが出来たり、レースゲームで有名な「Assetto Corsaシリーズ」のVRモード、PC版「VRChat」、「バーチャルキャスト」等のPCVRまで楽しめます。Oculus Questは一つであらゆるニーズに答えられるVR機器となりました。
ある程度予算はあるが、あまりVR機器やゲーミングPCに関する知識もなくて初めてVR機器を購入されるのであれば、間違いなく私はOculus Questをおススメします。
しかしこの記事を読んでいる人の多くは本当にOculus QuestでPCVRを満足に体験できるのか?という疑問が皆さんの気になるところだと思います。Oculus GoよりもOculus QuestとOculus Rift Sの比較レビューが気になる方は「3.Oculus QuestとOculus Rift Sとのスペックや構造の比較」からお読み下さい。
(*2.Oculus linkが動作するUSB3.0ケーブルが必要になります。Oculus純正のOculus Linkヘッドセットケーブルはこちらから。)
2.低価格でお手軽にVRが楽しめる入門機「Oculus GO」
「Oculus Go」はOculus3機種の中で一番安く購入できるスタンドアローンVR機器というのは皆さんご存じだと思いますのでスペックを記載した後に実際に使ってみて思ったことをレビューしたいと思います。スペック表はサツキトウカさんが作られたスペック表を引用します。
名称 |
Oculus Go |
使用方法 |
独立型(スタンドアローン型) |
ディスプレイ解像度 |
2,560×1,440 (片目:1,280×1,440) 液晶ディスプレイ |
リフレッシュレート |
72Hz or 60Hz |
視野角 |
100° |
レンズ~パッド間 |
約70mm |
処理能力 |
Snapdragon 821 |
トラッキング |
3DoF (振り向きのみ) |
IPD調整 |
なし |
音声 |
内臓スピーカー 3.5pinステレオジャック Bluetoothなし |
コントローラー |
片手1機 4ボタン+タッチセンサー |
ヘッドバッド |
ストレッチゴムバンド |
重量 |
468g |
価格(税込) |
|
©️サツキトウカ
「6DoF」と「3DoF」の違いやスタンドアローンの説明は過去の記事で紹介されていますので省略します。実際に手に取ってみたらとても軽い印象を受けました。スタンドアローン型はヘッドマウントディスプレイ(以下HMD)にバッテリーやCPUなどすべてをHMD内に収納しないといけないのでOculus Questは持った感じが重い印象でした。Oculus Goは機能や性能が限られている分、HMD本体が軽くできたと思います。
Oculus GoはIPD(瞳孔間距離)の調整機能がハード的にもソフト的にも搭載されていません。ただ私が実際にHMDを使ってみた際には特に焦点が合わないということはなかったです。この辺りは個人差がありますので焦点が合わない方も出てくると思われます。しかしOculus Go所有者に聞いてみたり、ネットで調べてみても焦点が合わないといった報告はあまりなかったです。
装着感は本体が軽いおかげか簡素的なストラップでも十分快適に装着することができました。VR機器は数十g単位の重さで影響してくるのでいかに軽くするかということは今後出てくるVR機器の課題になってくるでしょう。
音は本体のスピーカーから聞こえます。音質は思っていたより良好でそこそこクリアに聞こえます。ただ周りに音がただ漏れになるので、イヤホンジャックからイヤホンなどを装着するといいでしょう。
画質に関しては液晶ディスプレイなので他の機種に比べて良くないですが、私が思っていたよりは画質は悪くない印象でした。ただし良くもないので過度な期待は禁物です。
Oculus Go用のコントローラーは片手のみでタッチパッド、バックボタン、メニューボタン、トリガーのとてもシンプルな構造です。コントローラーも3DoFなので外部センサーやカメラでトラッキングするOculus Touchに比べて精度は各段に落ちますが、逆にセンサーやカメラを必要としないのでどの位置からでも操作できるという長所があります。Oculus Rift S、Oculus Questは部屋が明るくないとトラッキングできないですが、Oculus Goは暗い場所でもコントローラーを操作できるという利点にも繋がります。例えば暗い所でも寝っ転がりながら動画を見ることがOculus Goならできます。
PCVR、Oculus Questほどの性能はないですが、1万円台で購入できる低価格とスタンドアローン型の強味がよく出てるVR入門機と言ってもいいでしょう。
- こんな方におススメ!
- とりあえず低価格でVRを楽しみたい方。
- 長時間VRで動画を見たい方。
- 寝ながら動画を見たい方。
3.Oculus QuestとOculus Rift Sとのスペックや構造の比較
Oculus Questはスタンドアローン型でありながら「6DoF」でVRを体験できるのが本来の特徴でした。Oculus Rift Sは高品質なVR体験を楽しむためのVR機器と用途がとても分かりやすかったのですが、Oculus Linkの登場により一変します。USBケーブル(*2)一本でパソコンに繋ぐだけでPCVRが楽しめるという機能がFacebookから公式に発表されました。現在はベータ版が使えるようになっており、内臓マイクは使えないものの、簡単にPCVRが楽しめるようになっています。いずれ正式版がリリースされれば内臓マイクも使えるようになるのでOculus Questですべてを補えることになります。「Oculus Rift Sは必要ないのでは?」などOculus Rift Sの存在価値に疑問を抱くユーザーが出てくるほどです。この記事を読んでいる人が一番気になっているのは「Oculus Quest」と「Oculus Rift S」との比較だと思うので早速比較していきたいと思います。まずはサツキトウカさんが作られたスペック表から見ていきましょう。
名称 |
Oculus Quest |
Oculus Rift S |
使用方法 |
独立型(スタンドアローン型)/PC接続 |
PC接続 |
ディスプレイ解像度 |
2,880×1,600 (片目1,440×1,600) 有機ELディスプレイ |
2,560×1,440 (片目1,280×1,440) 液晶ディスプレイ |
リフレッシュレート |
72Hz |
80Hz |
視野角 |
100° |
115° |
レンズ~パッド間 |
約62mm |
約74mm |
処理能力 |
Snapdragon 835 |
PCに依存 |
トラッキング |
6DoF インサイドアウト 4カメラ |
6DoF インサイドアウト 5カメラ |
IPD調整 |
58~72mm(本体レバー) |
58~72mm(アプリ) |
音声 |
内臓スピーカー 3.5pinステレオジャック Bluetoothあり |
内臓スピーカー 3.5pinステレオジャック Bluetoothなし(PC利用) |
コントローラー |
両手2機 5ボタン+ジョイステック |
両手2機 5ボタン+ジョイステック |
ヘッドパッド |
伸縮スプリング式 |
ダイヤル調整付き 大型パッド |
重量 |
571g |
500g |
価格(税込) |
|
|
©️サツキトウカ
まずはディスプレイ解像度やパネルの種類ですが、QuestはRift Sよりも解像度が高く、Oculus Rift CV1やVIVE Proなどでも採用されている有機ELディスプレイが使用されています。Rift Sは液晶ディスプレイが使用されていてリフレッシュレートはQuestよりも若干高くなっています。基本的に液晶ディスプレイよりも有機ELディスプレイのほうが発色がよくて画質がいいと言われていますが、Rift Sで使われてる液晶ディスプレイは質がいいのか有機ELディスプレイほどではないにしろ、そこまで発色が悪いという印象はありませんでした。またRift Sの液晶はスクリーンドア効果(*3)の影響を受けにくいため細かいところが見やすいと思いました。この辺りは個人的な好みで分かれると思います。ちなみに私はスクリーンドア効果が少ない液晶ディスプレイの方が好みです。
IPD調整はQuestの場合、本体下部にあるレバーで物理的に調整します。Rift SはIPDをPCにインストールしたOculusのアプリケーション側で調整する方式です。筆者は特に問題なく調整できましたが、物理的に焦点を合わせることができないので人によってはうまく調整できないという方もいると思います。
サウンドはどちらも内臓スピーカーから音が出ます。音質はあまりいいものではないですし、周りに音が漏れますのでイヤホンやヘッドホンを使うといいと思います。Questは左右にイヤホンジャックが2箇所ありますが、Rift Sは右側に1箇所のみになります。
頭に固定するためのヘッドパッドはQuestはOculus Rift CV1と同じような伸縮スプリング式です。マジックテープで位置調整して固定するものです。Rift Sはダイヤル調整付き大型パッドが採用されています。装着感、安定性はRift Sが断然に優れているのは見た目からもわかるように実際にHMDを被ってみてもRift Sのほうがよかったです。Rift Sの下部にある左のボタンは深度調整のボタンで、押すとHMD本体の位置を前後に調整することができます。
トラッキング精度はあまり違いを感じることはありませんでした。Questは4つのカメラを四方にカメラを均等に配置しています。Rift Sは5つのカメラを上部に1つ、左右下部と前面下部にそれぞれ2づつの配置になっています。トラッキング範囲を検証してみるとRift Sは上部にカメラがあるのでQuestに比べて上部の部分はトラッキング範囲が広いと感じました。若干Rift Sの方がトラッキングがいいというのは本当なのかもしれません。
4.Oculus QuestはOculus Rift Sの代わりになるのか?!
さて皆さんが一番気にしているであろうQuestのOculus Linkの機能を使ってRift Sの代わりになるのか?という点でしょう。私も気になっていた部分であります。結論から言うと私の感想はQuestはRift Sの代わりになりませんでした!
ネットのレビュー記事などではQuestのOculus Linkは素晴らしいという評価がたくさんあります。私もOculus Linkはすごい機能だと思っています。しかしなぜこのような結論に至ったのはQuestの最大の欠点が大きく影響しています。Questの最大の欠点というのは重さと重心バランスにあります。スペック表でも分かると通りRift Sは「500g」に対してQuestは「571g」と約70gほどQuestの方が重くなっています。たった70gの差と思われる方もいるかもしれませんが、HMDは70gでも大きく影響して来ます。またQuestはHMDの前方部分に重さが集中しております。ハンマーをイメージしてもらえればわかりますがハンマーのヘッド部分の近くを持つのとヘッド部分から遠いところを持つのでは後者の方が持つときに負荷がかかります。HMD前方部分が重いQuestは頬の部分に負荷がかかります。Rift SはHMD前面部分が軽い、ダイヤル調整付き大型パッドがあることにより頬の部分にかかる負荷が軽減されています。この重さや重量バランスの悪さは10~15分程度のプレイ時間ではそれほど気にならないでしょう。しかし30分~1時間以上のプレイ時間となると個人差もありますがさすがに疲れや痛みを感じます。QuestにVIVE用デラックスオーディオストラップを付ける為のアダプターやベッドパッドに装着感を安定させるアタッチメント等の製品が各社で販売、開発中です。それだけ重さがネックになっているというこのなのでしょうか。
ちなみにハイエンドVR機器の一つである「VIVE Pro」のHMDの重量は約770gとQuestよりも200gぐらい重いです。しかし実際にVIVE Proを被ってみると、ダイヤル調整付き大型パッド装着感や重量バランスが優れていることから長時間VRをプレイしても快適に使用することができます。
画質などに関しては細かな違いがありますが、私が一番気になった点はQuestの重さと重量バランスの悪さでした。この欠点のせいで長時間プレイするのには向いていないとわかりました。長時間プレイすることが多いVRChatやバーチャルキャストなどのソーシャルVR、VRゲームをハードにプレイするユーザーはQuestでプレイするよりRift Sでプレイする方がいいでしょう。
- Oculus Questはこんな方におススメ!
- 完全ワイヤレスで6DoFのVRを体験したい方。
- あまり予算がない、複数のVR機器を持ちたくない方。
- いろんな所でVRをしたい方。
- Oculus Rift Sはこんな方におススメ!
- 長時間PCVRをプレイしたい方。
- 高品質なVR体験をしたい方。
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Oculusの比較記事
Quest・Rift S・Goの3台持ち筆者がOculusのVRゴーグルを徹底解説!
5.最後に他メーカーのVR機器と比べて
以上、現行で販売されてるOculus3機種の記事になります。VR HMDは、Oculusの他にHTC VIVEシリーズ、Windows Mixed Realityシリーズ、Pimaxシリーズ、最近発売されたVALVE INDEXがあります。どれも特徴がありますが、Oculusシリーズは他のメーカーと比べてもとてもコストパフォーマンスに優れているVR機器だと思います。
VRChatやバーチャルキャストなどでフルボディトラッキングするためにはベースステーション1.0/ベースステーション2.0とHTCのトラッカーが必要になり、Oculusでは現状フルボディトラッキングに対応していないことが欠点になります。(非公式の方法でフルボディトラッキングすることが可能ですが設定が大変です。)しかし現行のOculusシリーズは外部センサーを必要としないインサイドアウト方式を採用しているので、外部センサーの設置場所を選ばず手軽にVRをすることができます。自分のライフスタイル、使用目的に合わせたVR機器を購入するのがいいでしょう。また、リーズナブルな価格なのでHMDのサブ機として状況に合わせてVR機器を使い分けるといったこともできると思います。
Oculus QuestかOculus Rift Sのどちらを購入するか検討している方や、Oculus GoではどんなVR体験ができるのか気になる方など色々な方がいると思います。Oculusはコストパフォーマンスがいいと言いましたが、VR機器は数万円以上、安くても2万円以上と高額なデバイスというのが現状です。大都市ならVRを体験できる場所があったりしますが私のように地方に住んでいる者にとってはVRを体験できる機会が皆無なのが悲しい所です…。どの機種が自分に合っているのか悩んでいるのであればアストネスでレンタルすることができます。しかもOculus Rift Sが一週間6,800円(送料込み)とお安く、VR対応のゲーミングノートPCもレンタルできますのでハイスペックPCを持ってない方でもPCVRを体験できます。PCもVRができるスペックに一新するとなるととても高額になりますので、一度試してみてから購入するかどうか検討するときに参考にするといいでしょう。また外出先でVRを使いたいという時もゲーミングノートPCをレンタルということもできます。
いろいろとレビューや比較記事などがありますが、ことわざの通り「百聞は一見に如かず」で実際に体験してみるのが一番いいと思います。(レビュー、比較記事でこういうことをいうのはタブーかもしれませんが…)レンタルしてみてからどれを購入するか決めるのも良いかもしれません。読者の皆さんが自分に合ったVR機器を見つけること願ってこの記事を締めたいと思います。最後にOculus GoとOculus Rift Sを提供してくださったアストネスさん、ありがとうございました!
筆者紹介 - chiroP(チロピー)
最近はバーチャルキャストなどで活動中。以前はVRにはまったく興味がなかったがVtuberブームでVRChatを知り、興味本位で始めたところVRにすっかりハマってしまった。いろいろなVR機器を試したくなって一時期は6台VR機器を持っていたこともある。3DCGモデリングもしていますのでモデリングの依頼がある方はTwitterのDMまで!
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