みなさんは「VRゴーグル」と聞いてどんな製品を思い浮かべますか?
去年(2020年)の夏頃、ソフトバンクは『スマホ対象機種の購入者全員に「VRゴーグル」をプレゼントする』というキャンペーンを打ち出し、Twitterやニュースサイトで話題になりました。
本キャンペーンでプレゼントされているVRゴーグルは pico U Lite をはじめとした「ゴーグル(機体)の中にスマホを装着するタイプ」の製品です。
それでは、ゴーグルにスマホを装着しない Oculus Quest 2 のようなVRとは何が異なるのでしょうか? Quest 2 などのVRゴーグルは、「 HMD(ヘッドマウントディスプレイ)」と呼ばれ、先述の「ゴーグルの中にスマホを装着するタイプ」の製品とは機能性や体感できることが全く異なります。
当記事では、「スマホをゴーグルに装着する製品」を「スマホVR」、Quest 2 のような「製品」を「VR機器」と分けて記載します。
目次
1. スマホを装着する「スマホVR」と装着しない「VR機器」の違い
3. Oculus Quest 2 で遊べるゲームのレビュー
4. 〈 まとめ 〉やってみたい!と思ったら気軽に「レンタル」出来ます!
1. スマホを装着する「スマホVR」と装着しない「VR機器」の違い
まず、「スマホVR」の場合、基本的にVRの世界(映像)の中を移動することができません。別途スマホ用のBluetoothコントローラーなどを利用すればVRの世界(映像)の中を移動することが可能なアプリも僅かに存在しますが、それでもなお、スマホVRではコントローラーの位置を認識できません(コントローラのトラッキングに非対応)。
一方で「VR機器」の場合は、手に持つコントローラーの位置が認識され(ヘッドセットや外部センサーがコントローラの位置をトラッキングする)、VRの世界(映像)の中で実際に手の動きとして反映させることが可能です。
上述をまとめると、「スマホVR」で動かせるのは「視点のみ(3DoF※)」で、360度の映像をきょろきょろ見回したりするのが限度です。それに対し Oculus Quest 2 のような「VR機器」では、VRの世界をコントローラーを使って歩き回ったり(トラッキングエリアの範囲内で、部屋の中を歩くことでVR空間内を移動することも可能)、物を掴んでみたり、手を動かして他のプレイヤーと体を使ったコミュニケーションをとることができます。それ以外にも、没入感や装着感などは圧倒的にVR機器のほうが優位であるなど様々な違いがあり、「VR機器」の方が本格的なVR体験ができます。
〈 Tips 〉
※DoF(Degrees of Freedom)は「自由度」と言い、VR機器においてその機器がトラッキング可能な方向数を表します。
3DoFの場合は、機器を中心に前後・左右・上下の3方向に”回転”することが可能で、球体の中心から球体の内側を見渡すような感覚になり、移動はできません。
6DoFの場合は、さらに前後・左右・上下の”移動”を加えた6方向となり、しゃがんで床に顔を近づけたりするなどVR空間の中を疑似的に移動することが可能です。
さて、ここまで「スマホVR」と「VR機器」の違いを説明しましたが、実際に「Oculus Quest 2」を体験した感想をお伝えします。
デザイン
全体的な外観のデザインは白を基調とし、曲線的な形状でとても柔らかい印象を受けます。初代のQuestをはじめ他のVR機器は黒を基調としたカラーが多く、ずっしりとしたイメージでした。Oculus Quest 2 は、それらのVR機器とは一線を画すようなデザインとなっています。
装着感
装着する際は、ヘッドセット本体の左右と上部から伸びているゴムバンドを使って頭部に固定します。左右のバンドの長さを調節し、丁度いい締め付け具合にします。ストラップはゴムバンドになっているのため多少引っぱっても問題はなく、少しキツいかなと感じる程度に調節すると頭を動かした際にずれにくくなります。
また眼鏡を使用しているユーザーのために眼鏡用のアタッチメント(グラススペーサー)が付属しています。こちらを装着するとフェイスクッションとレンズ部分の間のスペースを広げるができ、眼鏡を装着してVR機器を被った際にレンズとメガネが接触しにくくなるため快適に使用できます。
※本体は比較的軽いですが、前方に重心がかかるので、公式オプションのエリートストラップをカウンターウェイトとして使用すると、総重量は増しますが重心が中央になるため安定性が向上するのでとてもオススメです。エリートストラップには、補助バッテリー搭載タイプと非搭載タイプがあります。
セットアップ
本体を起動すると、まずコントローラーのペアリングが行われ、Wi-Fiに接続して本体とコントローラーのファームウェアアップデートが始まります。アップデートが終わるとスマホの Oculus アプリとペアリングしてセットアップが完了します。このセットアップが非常に簡単かつ明解で、Wi-Fiのダウンロード速度にもよりますが5~10分で終わります。
※Oculusを使用するためにはFacebookのアカウントが必要ですので、事前にOculusアプリまたはFacebookから会員登録しておくと良いでしょう。
画質
非常に鮮明な映像です。他のVR機器と比較してもかなり高画質かつ高解像度のスペックとなっています(片目あたりの解像度:1832×1920)。初代 Quest や 主要なVIVE シリーズ製品などが「OLED(有機EL)」で画質が少しもやっとしてしまうのに対し、Quest 2 は「LCD(液晶)」であるため非常にすっきりとした画質になっています。
他の10万円台のVR機器( HTC VIVE Pro、Valve Index )と比べても遜色ない画質で、VRゲームやVRSNSを楽しむことができるのは間違いないでしょう。
コントローラ
正式名称Oculus Touch(以下 コントローラ )はOculusが販売する3代目のコントローラで、以前のものよりも、大きく、持ちやすくなりました。初代 Quest のコントローラと比べると親指で操作するフロント部分のスペースが広くなり、ボタンの位置なども若干の変更が加えられています。また、コントローラ最下部から出ているストラップを手首に掛けることで、後述のBEAT SABERなど腕を思い切り動かすゲームでもコントローラが脱落する心配なく遊べます。
〈 総評 〉
HMD本体・コントローラのどちらも身体にフィットし、画質や素材も文句なく非常に快適でした。
3. Oculus Quest 2 で遊べるゲームのレビュー
実際に筆者が遊んでいる Quest 2 で遊べるVRゲームをいくつか紹介します。
【 Beat Saber(ビートセイバー)】
Beat Saber は音楽ゲームの一種で、音楽に合わせて次々と迫ってくるキューブ(音ゲーのいわゆる「ノーツ」)をタイミングよく「切る」ゲームです。リアルの音楽ゲームは殆どが物理ボタンもしくはセンサーに対応した動作を行いますが、このBeat SaberはVR空間ならではの動きで楽しむことが出来ます。
NHKの番組「沼にハマってきいてみた」で紹介されるなど最も認知度が高いVRゲームの一つで、国内外問わず評価が高く人気です。デフォルトで選べる曲に加え、期間限定で無料で遊べる曲もあり、長く遊べるゲームであることは間違いないでしょう。
【 Superhot VR 】
次は、VR空間の中で戦うアクション型FPS(ファーストパーソン・シューティング)ゲームです。元々はPS4のゲームでしたが、VR向けに再開発され、とても人気が出ました。
特徴的なのはそのゲーム性で、プレイヤーが物理的に動いている間だけゲーム内の時間が進むというさながらマトリックスのような動きが出来ます。時間の動きはとてもゆっくりですが、リアルタイムに状況が変化しプレイヤーの手捌きによって、チャレンジするごとに違ったアクションが出来るのも魅力です。
通常のストーリーをクリアすると、少し難しいミッション付きのモードが解禁されるなど、やりこみ要素もしっかりあり、ぜひプレイして頂きたい作品です。
【 Hand Physics Lab 】
こちらは Oculus Quest / Quest 2 の機能「ハンドトラッキング」を使用して遊ぶゲームです。現在のVR機器は赤外線センサーなどでコントローラの位置を把握(トラッキング)してゲーム内に反映させることが一般的ですが、Quest 2 にはハンドトラッキングと呼ばれる機能に標準対応しています。
ハンドトラッキング機能は、プレイヤーの手・指の動きをそのままVR空間内に反映させることが可能なため、Hand Physics Labでは、コントローラを使用せずに、手と指をコントローラ代わりにしてゲームを遊ぶことが出来ます。つまり、自身の手・指のみを使ってVR空間内のオブジェクト(キューブや道具など)を扱うことが可能です。
ゲームの内容はいたってシンプルで、簡単な謎解きを行うパズルモードと、自由にオブジェクトを触ったりできるフリーモードの2種類が有ります。VR世界の中で、現実さながらの手・指の動きをするのですが、実際には物を持っていないため、物を持ち上げてもすべり落ちたり、思うように動かせないなど、ちょっとした不自由さが面白さを生むゲームとなっています。
ハンドトラッキングを使ったゲームやアプリはまだ少ないため、ハンドトラッキング機能を楽しむことができるこのゲームは非常にオススメです。
【 VRChat 】
最後のオススメは、筆者もよく利用しているVRSNSの「VRChat」です。VTuberに興味がある方なら名前だけ知っているという方もいらっしゃるかもしれません。
VRChatは、運営元やユーザー(プレイヤー)が作成した「ワールド」と呼ばれるVR空間の中に入り、他のプレイヤーとの雑談や交流、ゲームなどが出来るバーチャル空間のSNSです。
まずはVRChatのみで操作感に慣れ、フレンドを増やして自分なりの楽しみ方を模索しつつ、慣れてきたらBoothで販売されているアバターの3Dモデルを購入して自分好みのアバターの姿になって楽しんだり、自身でワールドを作りにチャレンジしてみるなど、色々な楽しみ方があります。
バーチャルマーケットやクロスマーケット、アバターミュージアムなど比較的規模の大きいイベントをはじめ、1人のユーザーとそのフレンドで開催される小規模なイベントまで様々なイベントが多数開催されており、それらに参加することも楽しみ方の一つと言えます。Quest 2 の発売後、ユーザーが爆発的に増えており日本人のユーザーも多くなってきました。初心者向けのツアーイベントなどもありますので、気軽に初めて見てはいかがでしょう。
筆者が運営している「VRChat初心者向けサイト(https://vrc.wiki/)」では、アカウントの登録方法やアバターアップロード方法などを公開しています。
4. 〈 まとめ 〉やってみたい!と思ったら気軽に「レンタル」出来ます!
もしこの記事を読んで、少しでもVR機器を「試してみたいな」「触ってみたいな」と思ったらVR機器をレンタルすることが可能です。
アストネスでは、1週間(7泊8日)〜 ¥5,980(税込・送料込)〜で Oculus Quest 2 をレンタルすることができます。「買う前にまずは体験してみたい」「知り合いにプレゼントしたいけど実際どうなんだろう?」と言ったニーズには、間違いなくレンタルがオススメです。
デバイスのレンタルって機器内に保存されるユーザーデータや機材の状態など大丈夫?と心配する方もいらっしゃるかもしれませんが、アストネスでは、返却後に初期化処理の確認・実施(初期化は利用者自身が行うことが推奨されており手順も案内される)と、機器の清掃・除菌処理を行ってから発送されるので、安心してレンタルできます。
購入前の体験や、ちょっとした興味に是非アストネスでレンタルを!
筆者紹介
saguzi(ツイッター)