皆さん初めまして。
この度、Pimax Artisan(以下Artisan)と Pimax Vision 5K Super(以下5K Super)のレビューを寄稿します、akai_nanaです。
記事の後半では、保有される方が多い Valve index と HTC Vive との比較内容を紹介します。
〈 ご注意 〉
HMDで体感することは個人差が生じるため、情報齟齬が発生する可能性があることを予めご了承ください。
Artisan と 5K Super の基本スペックをご紹介します。
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Pimax Artisan |
Pimax Vision 5K Super |
解像度 |
3400 × 1440(片目 1700 × 1440) |
5120 × 1440(片目2560x1440) |
スクリーン |
CLPL(カスタム液晶ディスプレイ) |
CLPL(カスタム液晶ディスプレイ) |
リフレッシュレート |
72Hz、90Hz、120Hz |
180Hz |
視野角 |
水平140度 / 対角170度 |
対角200度 |
IPD(瞳孔間距離) |
55 - 75mm |
55 - 75mm |
サイズ |
280 × 108 × 135mm |
280 × 108 × 135mm |
IO コネクター |
USB × 1 |
USB × 2
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画像
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下記ボディボタンは、2機種共通です。
電源ボタン・音量ボタン
Type C ポート(もう一つは頭部の膨らみ部分に隠れている)
IPD(瞳孔間距離)調整ダイヤル
解像度 ・ リフレッシュレート ・ 視野角
筆者は「解像度」と「リフレッシュレート」において両機の差を感じませんでしたが、「視野角」は Artisan の方が狭く感じました。
電源
Artisan:外部電源
5K Super:USB電源(使用するPCにUSBポートが少ない場合は増設をご検討ください。)
ソフト
Pimax は 「SteamVR」 と外部ソフト 「Pitool」のインストールが必須です。(Pitoolは日本語設定可能です)
>> Pitoolのダウンロードはこちら
Pitool上では「リフレッシュレート(更新率)」と「視野角」を調整できます。( Pimaxの機種によってできるものとできないものあり)
Pimax Artisan |
Pimax Vision 5K Super |
比較HMDと使用機材
HMD
比較に用いた HTC Vive と Valve Index は、Pimax と同様に Lighthouse を用いたトラッキング方式です。
Index |
Vive |
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解像度 |
2880 × 1600(片目1440 × 1600) |
2160 × 1200(片目1080 × 1200) |
スクリーン |
RGB LCD |
OLED(有機EL) |
リフレッシュレート |
80/90/120/144Hz |
90Hz |
視野角 |
130度 |
110度 |
IPD(瞳孔間距離) |
58 - 70mm |
60.8 - 74.7mm |
サイズ |
185 × 130 × 120mm |
190 × 120 × 120mm |
IO コネクター |
USB × 1 |
USB × 1 |
PC
下記の構成で検証しました。
CPU |
Ryzen9 3900X |
メモリ |
Patriot Viper Gaming DDR4 DRAM 3200MHz 32GB |
CPUクーラー |
NZXT KRAKEN X73 |
マザーボード |
MSI MPG X570 GAMING EDGE WIFI |
グラボ |
Asrock RX6800(リアファン) |
SSD |
W.D Blue 3D WDS100T2B0B&W.D Blue SN550 WDS100T2B0C |
ケース |
ANTEC P110 Luce |
電源 |
Hydro G PRO 1000W |
ケースファン |
Novonest 120mmPCケースファン RGB LED |
拡張カード |
Kompressor PCIe/USB3.0 2P |
OS |
Windows10 Pro |
ベースステーション |
ベースステーション1.0 |
コントローラ |
Vive コントローラ |
ベンチマーク
リフレッシュレート(フレームレート)
VRChat においては性能通りのリフレッシュレートで動作しませんが、VRChat Home でユニティちゃんを使用した場合などは性能通りのリフレッシュレートが動作します。
ただし、World・人数・アバターなどの条件によっては異なるので参考としてご覧ください。
Artisan |
5K Super |
Index |
Vive |
視野角
写真で見るより実際に使ってみた方がわかりやすいのですが、Vive を使用した後に Artisan を使うと広く感じます。( Vive から Index に乗り換えたような感じ)
Index と Artisan は同程度くらいかなと感じました。(実際の視野角は10度差)Artisan から更に 5K Super は広く感じます。(目を左右に動かさないと見切れません。)
ただし、Pimax 特有の周縁部のレンズゆがみが気になる方もいると思います。
それでも、視野角一杯に広がる景色などを見ると Pimax を使っていて良かったなと感じることができます。
Artisan |
5K Super |
Index |
Vive |
装着感(重量)
Artisan は標準がゴムバンドなので滑り落ちやすく、長時間使用していると圧迫感があります。( Artisan のゴムバンドは Vive のように前方に重心が掛かります。)
筆者の Artisan は Vive のオーディオストラップを接続しているため落ちにくいです。
それでもスポンジ部分が大きくなり接顔面積が増えたため、顔の周りが楽になりました。( Vision 5K Plus や 5K XR を使用したことのある方ならわかると思います。)
5K Super はオーディオストラップが標準で付属しているため大変被りやすいです。( Vive Pro と同じ感じです。)
ただ、私の被り方が悪いためか運動をするとずれます。そして寝るときに寝返り返りがうてません。(笑)
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Artisan |
5K Super |
Index |
Vive |
重量参考値 |
約590g |
約900g |
約748g |
約495g |
トラッキング精度
サイズが大きいだけあってベースステーション1.0の使用でもトラッキングが外れることはありません。
Vive は腕が HMD に重なる際に HMD がトラッキングされないことがあるのに対し、Pimax の2機種は同様の状況でもしっかりトラッキングされました。
画質
Vive に比べると、Pimax の2機種は網目感がなく、文字も読みやすいです。
Index に比べると、画面の縦の比率の違いのためか Pimax の2機種より Index の方が遠くまで見通せるような感覚がします。
明るさは、Index と Vive が明るく見えるのに対して Pimax は暗いです。( Pitool で明るさの設定が出来ますので、それほど問題にはなりません。)
コントラストは、Vive に比べると Pimax の2機種は全体的に白っぽく見えます。(以前よりは大分よくなりました。)
マイクオーディオ
5K Super は標準でオーディオストラップが付属していますが、スピーカー内臓型なので、ボリュームを大きくすると反響します。また、Oculus Quest2 に比べると音質が残念です。
Artisan は3.5mmのオーディオジャックが一つあるので、好きなヘッドフォンやイヤホンを使用できます。
マイク性能は、一緒に検証をした友人曰く Index や Vive と比べて音量が低く、音質が悪いそうです。
安定性(ソフト面で)
2020年の最新バージョンは三点トラッキングで連続3時間ほど使用しても特に問題ありませんでした。(それ以前のバージョンは酷かったが…)
そして Index や Vive は SteamVR を終了するとベースステーション・コントローラの電源が同時に切れますが、Pimax は Pitool を切っても電源が落ちないため自分で電源を切る必要があります。
そして、2回目以降の起動時に HMD の電源を入れた際に「接続されていません」と表示されることが何度かありました。電源や Pitool を再起動してみると認識しました。
また、Pimax 本体が傾いたりコントローラから離れたりすると、斜めのまま起動したり、コントローラが飛んだまま起動することがありました。(2回目以降の話です)
上記以外は特に不具合と呼べるようなものもなく、細かく設定を調整できるので良いと思います。
価格
Pimax機種はヘッドセット単体でしか販売していないため、一見安いように見えますが、ベースステーション・コントローラを別途揃えないと使えません。それでもヘッドセット単体の Index に比べると Artisan が2万円ほど安く、5K Super は2万4千円だけ高いので、Index の予備機として買うのもありじゃないでしょうか。
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Artisan |
5K SUPER |
Index |
Vive |
価格 |
公式:¥51,600 |
公式:¥97,000 |
VRキット:¥138,380 |
公式:¥64,250 |
まとめ
良い点
・Artisan・5K Superともに解像度はVive・Indexを超えている。
・5K Superは現時点(2021年5月)で最高のリフレッシュレート。
・Artisan・5K Superともに視野角が広い。
・ArtisanはIndexに比べて安い。
・見た目がカッコイイ。
悪い点
・マイクが残念。
・5K Superのヘッドセットはスピーカーが内蔵型なので音が漏れる。
・5K Superの値段が割高(上には8Kがある…)
・外部ソフトPitoolを使用するためベースステーション・コントローラの電源が自動で切れない。
・周縁部のレンズゆがみ。
・2回目以降のソフトの安定感。
・5K Superは高いPCスペックが要求される。(性能を最大限発揮させる場合)
・別途ベースステーション・コントローラを購入しなければならない。
所感
Artisan・5K Super はどちらも玄人向けの HMD です。
Artisan は、Vive から乗り換えで買うのもありで、Index を既に保有していても予備機として入手するのもいいのではないでしょうか。視野角140度と Index より少し広いです。
5K Super は、値段は張りますが高リフレッシュレートをゲームで体験したり、目を動かしたりしたい方にはオススメです。視野角200度や180Hzという性能でどのゲームでも没入感はありますので、質の高い体験をしたい方にはオススメです‼
筆者紹介
akai_nana(ツイッター)